【AI学習シリーズ】第4回~第二次AIブームとフレーム問題~
前回の記事では、1950年代から始まった第一次AIブームについて説明しました。
今回は、1980年代に起こった第二次AIブームについて説明していこうと思います。
第二次AIブームのはじまり
第一次AIブームが終わりを告げた1970年代、人々はAIの限界に落胆し、AIは「冬の時代」を迎えていました。
その時代のAIでは現実の問題を解くことはできませんでした。
せいぜい、数学の定理の証明、パズルを解くくらいしかできません。
これはコンピュータのスペック的にしょうがないことではあったのですが・・・。
しかし、10980年代、エキスパートシステムの登場によって、AIは新たな盛り上がりを見せることとなったのです。
そして研究者たちは、このエキスパートシステムこそが現実の問題を解く足掛かりになると考えました。
エキスパートシステムとは、専門家の知識をコンピュータに移植することにより、現実の複雑な問題を解こうとするものです。
例えば、専門医の知識をコンピュータに移植することで、患者がコンピュータからの質問に答えるだけで病名を特定できるというエキスパートシステムが作られました。
結構すごいシステムですよね!
確かにこれなら現実の問題を解決することができそうです!!
しかし、エキスパートシステムにも大きな問題がありました。
端的に言えば、エキスパートシステムはルールをため込んでいくシステムです。
つまり「このような状況だったら、こういう答えを返す」というルールをため込んでいくのです。
なので、教えていない例外的な事象には答えを返すことができません。
さらに、専門家の知識をたくさん詰め込んでいくと、互いに矛盾するルールも出てきてしまいます。
コンピュータは、教えられたことしかできない杓子定規なところがあるので、例外や矛盾には対応できず、そこでアルゴリズムがストップして、エラーとなってしまいます。
このエキスパートシステムも、例外だらけの現実の問題を解くまでには至りませんでした。
そしてAIはまた「冬の時代」を迎えることとなったのです。
フレーム問題
ここまでで第一次、第二次AIブームの概要を説明してきましたが、このどちらにおいてフレーム問題という汎用的なAIを実現させるための大きな壁が立ちはだかっていました。
さてフレーム問題とは、「AIが決められた枠組みの中でしか、問題を解決できない」という問題のことを指します。
第一次AIブーム「探索と推論の時代」には、トイプロブレムしか解けませんでしたし、エキスパートシステムでは、第一次AIブームよりも現実の問題解決に近づきましたが、結局詰め込まれた知識の中でしか問題を解決することができませんでした。
つまり第二次AIブームでも、「完全に決められた枠組みの中でしか、問題を解決できなかった」ということです。
ここで、フレーム問題に関連して、強いAI・弱いAIというAIの区分の話をしましょう。
まず、弱いAIとは、定義としては、ある用途に特化したAIのことです。
現在のAIもすべてはここに分類されます。
画像認識用のAIで、音声認識ができないように、汎用性がない専門性を持ったAIです。
逆に強いAIとは、それ一つで、画像認識も音声認識も自然言語処理も、何でもできてしますAIのことを指します。
一般的に想像する映画とかに登場する人工知能と呼ばれるものもこっちに分類されます。
映画で言うと、スカイネットやHAL9000などを想像していただければわかりやすいかと思います。
まとめ
結局エキスパートシステムでも、汎用的なAIを作ることができませんでした。
つまり、AIは決められた枠組みの中でしか問題を解決できなかったということです。
そしてそれは、現在に至っても変わってはいません。
しかし今、第三次AIブームを迎え、ディープラーニングという新しい技術がフレーム問題を解決できるのでは、と期待されています。
次回の記事では、最近話題のディープラーニングとはいったい何なのかということを解説していければと思います。
ソフトウェア資産化における「製品マスター完成」の証憑と「ソフトウェア仮勘定」について
皆さん、自社でソフトウェア開発をした際に、どこまでが研究開発費で、どこからを資産化するか迷った経験はございませんか??
ちょっと前まで僕がまさにその状態でした。
ネットで調べても、
最初の製品マスターができるまでは「研究開発費」、それからは「ソフトウェア」として資産計上してください。
最初の製品マスターとは
- 製品性を判断できるプロトタイプ
- プロトタイプを制作しない場合は、販売するための重要な機能が完成しており、かつ、重要な不具合を解消していること
ですよ。
としか書いていません。
えっ、じゃあ、ソフトウェア仮勘定は使わないの?とか、製品マスターが完成した証憑って何?
とかの疑問が解決されなかったので、この記事でまとめようと思います。
あ、この記事は、市場販売を目的とするソフトウェアに限った説明ですよ!
自社利用のソフトウェアについては、違う計上ルールがあります。
費用とするか資産とするか
まず、ソフトウェアの開発は次の段階に区分できます。
- 研究開発段階
- 制作段階
- 製品性を判断できるプロトタイプ
- プロトタイプを制作しない場合は、販売するための重要な機能が完成しており、かつ、重要な不具合を解消していること
ソフトウェア仮勘定っていつ使うの??
そうなってくると、「ソフトウェア仮勘定」という科目の存在意義を考えてしまいません??
最初の製品マスターができるまでは「研究開発費」で、それ以降は資産化するんでしょー??じゃあ、ソフトウェア仮勘定なんていらないじゃん!みたいな。
しかしですねー、必要なんですよ。
一見存在価値なさそうなこの子にもちゃんと役割があるんです。
最初の製品マスターが完成しても、そのまますぐに市販できるまでには至っていない場合を想定してください。
その場合、市販できるようにまだ開発は続きますよね??
簡単にいうと、この製品マスターができてから、市販できるようになるまでにかかった費用を「ソフトウェア仮勘定」として計上するのです。
まとめ
今回は、市場販売目的のソフトウェアの計上を資産化するのか費用として処理するのかという論点のうち、意外にネットに情報がなかった部分を解説してみました。
みなさんの参考になれば幸いです。
働きながらバンドを続けるメリットと戦略
バンドで食べていこうか・・・
それとも社会に出て、歯車として働こうか・・・
そんな瀬戸際に立たされている、そこのあなたへ。
どうも、バンドマンand経理マンの紀田です。
みんなが働き始める年になって、まだバンドをやっていると、周りから「いつまで遊んでるつもりだ!」とか「今の時代、音楽で食べていけると思ってるの??」とかいろいろ言われますよねー。
音楽業界の冷え込みって、バンドやってれば、デビューした人の話を又聞きしたりとかして何となくわかるものですから、言わんとすることはわかります。
それに実際、才能がないとお話にならない世界ですから。
でも音楽一本でやっていく覚悟を持った人には憧れちゃいますよね。
僕もそうでした。でも僕は今平日は働きながら、主に休日にバンド活動をしています。
そんな状況でバンドを続ける中で気づいたことがあります。
それは、今の時代、事務所に入って音楽一本でやっていくだけが、バンドを続ける道ではないということです。
この記事では、会社員として働きつつバンドを続けることのメリットについて、つらつらと書いていこうと思います。
音楽で有名になる方法はたくさんある
大学時代僕は、界隈ではまぁ有名かなーぐらいのレベルのバンドでギターを弾いていました。
「就活始まるまでに音楽で結果出るべ!そしたら就職しないで音楽で食っていこー!ロックスター街道まっしぐらだぜ!!」
なんて調子に乗っていたのですが、結局どこの事務所にも拾われず、無情にも就活の時期がやってきてしまいました。
バンドやめて就職しなきゃいけないのか・・・。
人生の目標が終わった・・・。
なんて悲観に暮れていたのですが、そんな時、かつて大手でプロデュース業をしていた方から、こんな言葉をかけていただいたのです。
「今は昔とは違い、ネットがある。ライブハウスで動員を増やしてデビューするというアナログな方法にこだわる必要はない。昔は事務所やレーベルの後ろ盾がなければ、有名になることはできなかったが、今はネットを通じてバンド活動を応援してもらうことができる。であれば、収入の出どころがファンからであろうが、会社からであろうが関係ないのではないか?」
ぶっちゃけた話、「バンドで有名になりたい!」という夢には、多少は「リッチになりたい!」という要素が含まれていますよね??
しかし、音楽で稼ぐのは大変です。デビューなんてただの入り口に過ぎません。
実際、対バンした人の中に「昔メジャーデビューしていた人」がいることなんてざらにあります。
一度は栄光をつかんだとしても、バンドが解散すれば、またアマチュアに交じってライブをすることになる。
そんな厳しい世界で一生稼ぎ続けることがどれだけ難しいことなのか、想像に難くないでしょう。
なかには「お金なんていらない!音楽が好きだから、音楽しかやりたくないんだ!」という人もいると思いますが、そういった人だって売れなかったら、生きるために音楽以外の仕事をすることになるのです。
生きるための収入源は確保しつつ、有名になるためにバンド活動を続けることは悪いことではないと思い始め、僕は就職を選びました。
仕事をしていても、バンドをやる時間は取れるの??
取れます!!
もちろん就職すれば、学生の頃より音楽に割ける時間は減ります。
しかし社会人になると、納期だったりノルマだったりに責任を負うことになります。
そうした環境の中で過ごすうちに、バンド活動においても自然と限られた時間で成果を出すためにやるべきことを絞るマインドにだんだん変化していきます。
音楽のみをやってる人より時間が取れないので、個々の演奏の巧みさという点では劣るでしょう。
であれば、その他で差別化できるところを探し、そこを一点突破することに重点を置くべきだと僕は考えます。
それは、世界観であったり、メンバーのキャラであったり、ライブの一体感であったり、個々のバンドの特徴を伸ばしていくということです。
すべてが平均のバンドより、演奏が多少下手でも目を引くところがある方が印象に残りやすいです。
まぁそれに、それなりにお金を出せばプロ顔負けの音源を取ることができます。
ライブに時間を割かず、音源一本勝負というのも一つの手だと思います。
就職した方がバンドに使えるお金が増える
学生の頃より、社会人になった方が収入が増えますよね。
なので、当たり前ですがバンドに割けるお金も増えるわけです。
バンド活動はとにかくお金がかかりますよね。
- ライブのノルマ
- スタジオ代
- 楽器のメンテ
- レコーディング費用
- 機材の新調
あげればきりがないですが、これら費用は固定費と変動費に分けることができます。
固定費は決まった額がかかるもので、スタジオ代・機材のメンテ代などが当てはまります。
これらの費用はバンド活動をする上で絶対にかかるものです。
それにプラスして、レコーディング費用・PV撮影費用などが変動費としてかかるわけですが、極論を言えば、ここにどれだけのお金をかけられるかで、バンドのクオリティをどれだけ上げることができるかが決まります。
つまり、社会人バンドマンは+αの部分にお金をかけられるので有利です。
メンバーの休みが合わなくて、ライブがあまりできない等の制約があれば、完成度の高い音源とPVを作って、SNS広告とかで拡散してしまえばよいのです。
そのためには通常のバンド活動よりお金が必要ですが、就職していれば捻出できるくらいの額で問題ありません。
実際僕らのバンドは、そのSNS広告から複数の音楽プロデューサーから声をかけて頂いて、ちょこちょこ面倒を見て頂いたりしています。
まとめ
働きながらバンドを続けるメリットについてまとめますと、
- バンドに充てる時間が減るので、逆にバンドの強みを伸ばすことだけに注力する
- 収入が安定しているので、バンドにかけるお金を捻出しやすい
の2点が大きいと思います。
きちんと戦略を立てて、バンドの強みを伸ばすためにコストをかけることができます。
もちろん、音楽一本で活動しているバンドマンの覚悟と努力は相当なものです。
社会人バンドマンは、その部分においては絶対に勝つことはできません。ある意味リスクヘッジして音楽をやっているわけですから。
その状況で負けないくらい有名なバンドに成長するためには、勝負する土俵を変えることが重要です。
この記事では、バンド面だけに焦点を絞ってきましたが、会社員も中々に面白いですよ。
僕が自分に合った仕事に就けただけと言われればそれまでなのですが、夢中になれる瞬間があったり、大きな仕事をした後の達成感は何物にも代えられないと思ったりします。
なので、バンドで目が出ずに就職することになってもあまり悲観せずに、仕事もバンドも楽しんでやればいいと思います!
【AI学習シリーズ】第3回~第一次AIブームとその終焉~
前回・前々回と「AIの定義」、「AIの歴史の概要」についてまとめてきましたが、ここからは具体的なAIの歴史について、書いていこうと思います。
今回は人類史上初めてAIが盛り上がった時代、第一次AIブームについて説明していきます。
第一次AIブーム
これは意外と古く1950~1960年代にかけてのもので、「推論と探索の時代」と呼ばれています。
現在ではレジェンドと呼ばれる研究者が集まったダートマス会議が開催され、今日まで続くAIの歴史がスタートしたのです。「人工知能」という言葉が初めて使われたのも、このダートマス会議となります。
さて、では第一次AIブームを代表する「推論と探索」とは一体何なのでしょうか。
これは、パズルや迷路などの明確なスタートとゴールが決まっているゲームの中で、ゴールにたどり着く選択肢をコンピュータが選んでいくというものです。
これによって、人工知能は、
- パズルや迷路
- 数学の定理の証明
囲碁とチェスと将棋
余談ですが、アルファ碁というプログラムが、人間の棋士相手に勝ち越したのは記憶に新しいですが、アルファ碁の根幹にあるのもまた推論と探索です。
これでわかるように、過去のブームでおこなわれていた研究は、今でも連綿と続けられています。
このようなゲームでAIが人間を超えたとして有名な物としてなものといえば、ほかにチェスと将棋があります。
- チェス:1997年にIBMが開発した「DeepBlue」がチェスの世界王者相手に勝利
- 将棋:2013年に「ポナンザ」が世界最高峰のプレイヤーに勝利
ちなみに囲碁は、盤面の組み合わせがめちゃくちゃ多くて、10の360乗もあります。
これは、宇宙全体にある水素原子の数より多いのです。
ピンときますか?
大丈夫です。僕もピンと来てません。
チェス・将棋・囲碁に関しては盤面が多すぎて、それをすべて総当たりでコンピュータに探索させるのは無理なので、色々な方法が考案され、現在の強さにたどり着きました。
囲碁に関しては1962年に研究が始まったといわれていますから、50年以上の研究とコンピュータの性能の向上の結果、人間に勝利することができたというわけです。
推論と探索の問題点
話を戻しますが、この推論と探索には、大きな問題がありました。
それは、明確なスタート・ゴール・ルールが存在するゲーム世界でだけしか、人工知能が役に立たなかったということです。
つまり、現実の問題に対してはAIは無力でした。
この問題をトイプロブレムといいます。日本語では「おもちゃの問題」ですね。
また、今日AIに革命を起こすのではないかと大きな注目を集めているディープラーニングという技術があります。
実はその元となるパーセプトロンというアルゴリズムが、この時代すでに開発されていたんですね。
人間の脳のニューロンを模しているという点で、ディープラーニングと同一の技術でした。
しかし、あまりにニューロンが少なく、簡単な計算しかできないと問題があり、パーセプトロンの限界が露呈しました。
だったら、もっとニューロンを増やせばいいじゃんと思いますが、PCの性能の低さによって、改良を断念せざるを得なかったのです。
まだ家庭用のコンピュータもないような時代でしたから・・・。
このようにAIの発展の歴史は、ハードの発展の歴史と同期している部分もあるんですねー。
まとめ
- トイプロブレムが解決できない
- パーセプトロンの限界が露呈
【AI学習シリーズ】第2回~AIの歴史の概要~
今、空前のAIブームが来ていますねー。
新規上場の企業でもAIをメインプロダクトとする企業が増えてきていますし。
完全に第三次AIブームが来ていますよ!!
「え・・・?wwAIなんて最近の流行じゃんww第三次AIブームだとよww一回と二回いつだよwwプークスクスww」
なーんて思ったそこのあなた!
実は過去に2回、今のようにAIが大きな盛り上がりを見せたことがあったのです!
しかしですねー、技術的な理由・PCの性能的な理由から、AIは世間から過大に期待されたレベルに達することができずその2回のブームは去り、冬の時代が訪れてしまったんですねー。
これまで「人工知能が実現できるかもしれない」という期待と、「やっぱり人工知能なんて夢物語だ」という失望を繰り返してきたわけです。
ちなみにそれぞれ、
- 第一回のブーム:推論と探索の時代
- 第二回のブーム:エキスパートシステムの時代
この二つの問題については今後詳しく記事を書こうと思いますが、フレーム問題について簡単にいうと、「アルゴリズムは決まったことしかしないので、なんでもできるAIを作ることができない」という問題です。
そして、現在が3回目のブーム。機械学習とディープラーニングの時代です。
このディープラーニングという技術は、人間の脳を模したアルゴリズムで、今までのAIのアルゴリズムとは一線を画す革新的な技術であります!
さて、このディープラーニングによって、フレーム問題を解決することができれば、このブームも一過性のものではなくなるでしょう。
もしくは解決できなかったとしても、AIについての正しい認識を皆が持てば、過剰な期待感を払しょくできます。
世間の人がフラットな視点でAIをとらえることができれば、フレーム問題の解決がまだまだ先の話となっても、異常な失望感抱かずに済み、このAIバブルもはじけずに済むでしょう。
最後に
今盛り上がっているAIブームも、過去のブームと同じように一過性のものとなってしまうかもしれません。
しかし、終わりを迎えてしまった過去のブームと違うのは、ディープラーニングという新しい技術が主役であるということです。
次の記事では、過去のブームの詳細と終息の理由について詳しく書いていこうと思います。
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【AI学習シリーズ】第1回~人工知能ってなんでしたっけ??~
こんにちは、新米経理の紀田です。
前回の記事で僕がディープラーニングG検定という資格を取得したということを、こぼれ話として書いたのですが、せっかく取得したなら資格勉強を通じて学んだAIについても発信していこうということで、今回はまず人工知能の基本的な定義について書いていこうと思います!
そもそもAIってなんでしたっけ??
まずAIとは日本語に訳すと人工知能です。人工知能なんて言うと、「ターミネーター」のスカイネットなど、大仰なものを思い浮かべてしましますが、現状では人類を滅ぼそうとするようなSFチックなAIはまだ誕生していません。
さて、それでは史上初めて人工知能という言葉が使われたのはいつなのでしょうか。それは1950年代の「ダートマス会議」というワークショップです。
50'sですよ!「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の時代ですよ!
ドクが「未来知りたくない!未来知りたくない!」とか言っていた時代から、AIの研究は始まっているのです。
(結局ドクはマーティからの手紙を読んで、一命をとりとめることができましたが。)
さて、このAI業界では伝説とされる「ダートマス会議」、今では人工知能界隈ではレジェンドと呼ばれる人たちが集まったもので、ここで人類史上初の人工知能である「ロジック・セオリスト」のデモンストレーションが行われました。
当時はまだコンピュータが四則演算くらいしかできないと思われていた時代です。
そんな時代に、このロジック・セオリスト、数学の定理の証明をすることができました。
当時としては、めちゃくちゃ画期的なプログラムです。
人間でいえば、やっと割り算を覚えた小学生が、「バーゼル問題の初歩的な証明ならば、私の右に出るものなど存在しない・・・」とかぶちあげるようなものです。
そして、AIの定義については一般的に、
- 人間にしかできなかった高度に知的な作業や判断を行えるアルゴリズム
と認知されています。
しかし現在でも専門家によって定義は本当にまちまちで、AIとはまだ確定している概念ではないのです。
これはなぜなのか。これはですねー、「知性」とか「知的」とかの解釈がはっきりと決まっておらず、人によって違う解釈をしているからなのです。
専門家ごとの定義
例えば人工知能の定義について、G検定の主催団体のJDLAの理事である松尾教授は
- 人工的に作られた人間のような知能、ないしそれを作る技術
としており、京都大学の西田教授は
- 「知能を持つメカ」あるいは「心を持つメカ」である
と定義しています。
似たようなことを言っていますが、微妙に違いますねー。
松尾教授は、知能の持つようなアルゴリズムに人工知能の主体を置いているのに対し、西田教授はソフトだけでなく、ハードにも主眼を置いて人工知能をとらえていると僕は解釈しています。
このハードにも主眼を置くというのは、AIの身体性という話題でよく議論されている点です。
人間のような知能を持つためには、人間のような体が必要なのではないかということが議論されています。
現実政界との接点がなければ、現実世界のことを本来の意味で知ったとは言えない。
つまり、例えば痛いという感覚を体験するのか、ただ知っているだけなのかでは、その後の行動に変化が生まれるということです。
一度ドアに手を挟んで痛いという感覚を味わえば、次からはドアの開閉に注意するはずです。
しかし、「ドアに手を挟んだら痛いんだよー」と誰かに言われただけで、自分で体験したことがなければ、本当の意味でドアの開閉に注意することはありません。
つまり人間は感覚と共に学習して知性を得ていくので、身体がない機械には人間と同じような知性を得ることができないのでは??というのが身体性の議論です。
AI効果って??
さて、AIの定義が確定していないせいなのか、一般に考えられているAIの理想が高すぎるせいなのか、ある面白い現象が認知されています。
その名も「AI効果」!
AI効果とは、
- 前時代にはAIの一分野として研究されていたものが完成して、普及してしまうと、一般的にAIだと認識されなくなってしまう
という現象です。
例えば、皆さん何かを調べたいときはGoogleで検索しますよね??この記事にもそうやってたどりついた人もいるかもしれません。
この皆さんが普段何気なく使っている検索エンジン、これもAIの一つなのです!
さらに言えば、皆さんのお家を甲斐甲斐しくお掃除してくれるルンバ。あの子だってAIなんです!
・・・しかし、皆さんは彼らのことをAIだなんて認知していませんよね??
「お!ググってるねー。さすが紀田君だ。AIを使いこなしているね!」
「き・・・紀田君・・・!君ルンバをつかっているのか!?AIを使いこなしすぎだろ!!」
なんてほめられたことありませんし。
悲しいかな、これがAI効果なのです。
(これからは、検索エンジン様にもルンバ様にも敬意を払うようにしましょう)
最後に
さて、この記事ではAIの定義について、ざっとまとめてみました!
今後さらにAIが世の中に普及していく中で、AIについての正しい知識をつけることは重要なのではないかなーと思っています。
次のAIシリーズでは、AIの歴史について書いてみようと思います!
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中小企業の経理が真っ先に身につけるべきただ一つの知識
こんにちは、新米経理の紀田です。
未経験からひとり経理としてアサインされた当初から、この知識がなかったらお話にならないねーと思っている分野があります。
まず僕はIT企業、その中でも特にAIを扱う会社で働いています。
小さい会社ですので経理、というかお金に係る領域は全て僕が見ています。
なので事業計画の作成、資本政策、監査法人対応、資金繰り、日々の仕分けまで僕の担当なのですが、入社してから困ったことがありました…。
未経験で経理になったことではありません。
事業ドメインの知識が全くなかったことが一番の問題でした。
なぜ事業ドメインの知識が必要なの?
まず、経理として仕事をする上で会計知識をつけることは当たり前です。
これがなければ、日がな一日、会計ソフトを眺めて、ただウンウン唸ってるだけの人になってしまいます。
なので会計知識に関しては、僕も日々アップデートを繰り返しています。いわゆる勉強をもちろんですが、業務の中で新しいことを知った時はエクセルにまとめ、それを定期的に読み返し、知識の定着をはかっています!
入社当時、僕はメイン事業であるAIについて全く知識がありませんでした。
事業計画や今後の資金繰りを作成する時、開発のことや業界の商慣習の知識がなければ、リアルなものは作れません。
商慣習については、働いていればある程わかってくるものですが、ドメイン知識は自分から情報を取りにいかないと身につくものではありません。
そこで情報を取ろうとする時にいちばん問題になったのは、事業側の人と共通言語で話せなかったことです。
誰かにモノを教わる時のことを考えてみてください。
いきなり専門用語を使われても何がなんだかわかりませんよね?
それと同じで共通言語を持たない僕は、質問に対する回答が理解できず、噛み砕いて説明してもらうか、後で自分で調べてなんとか理解しようと頑張っていたのです。
二度手間です…無駄な時間です…
そこで僕は、事業ドメインであるAIについて勉強しようと思い、「ディープラーニングG検定」というAIを扱うジェネラリスト向けの資格を取得しました。
この資格については、今度記事にしようかなーと思っています。AIが今後日常生活にももっと普及していく中で、持っていて損のない資格です!
とまぁ、こんな感じで僕はドメイン知識をつけていって、現実に即した事業計画、資金繰り計画、日々の仕分けを行えるようになりました。
まとめ
- リアルな計画策定
- 実態に即した経理処理
- 事業側の人との正しいコミュニケーション
などができるようになります
それなりに大きい会社であればマニュアルがあり、ドメイン知識なしでも、それに従えば正しく業務を遂行できるのだと思います。
僕は大企業での経理経験はありませんが、前々職では一部上場企業の営業マンだったので、大企業のシステムの素晴らしさは知っています。
しかし小さい会社にはそんなシステムはなく、属人な部分が多々あります。
であるなら、しっかりと会社を回すために、経理に限らず全ての管理側の人員が、ドメイン知識を持っていることが重要になるのではと考えた次第です。
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